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2020年10月20日

バイヤー ムースヘッドチェアのカラバス化。

以前から欲しかったチェアがありました。
Byer of Maine(通称バイヤー)のカラバスデッキチェアです。



一緒にキャンプを楽しむ仲間たちが使っている木製の雰囲気のあるチェアですが、現在はこのハイチェアは販売されておらず流通量も極端に少ないため当時モノはかなりの高額で取引されています。


カラバスデッキチェアとは。
1880年創業のアメリカフォールディングファニチャーを制作している”Byer of Maine”が販売していたデッキチェアの一つです。



LL Beanからも販売されていました。
Byerのものはロゴは当然Byerですが、LL Bean販売のものはLL Beanの焼き印ロゴが入っています。

古くからキャンプを楽しむ人たちには定番のモデルとなります。



以前、友人たちとキャンプをした時には私以外はみんなバイヤーのカラバスデッキチェアを使っていた事もあり、憧れ続けていました。



ムースヘッドチェア発売。

バイヤーは現在もチェアやテーブル類を販売しています。
昨年はレンジリーチェアが発売になりました。



形状はなんとなくカラバスデッキチェアに似ていて気になりましたが、ローチェアであり寸法はカラバスデッキチェアとは大きく異なりました。

今年はムースヘッドチェアが新たに発売になり、目は釘付け。



往年のカラバスデッキチェアの様なモデル。
寸法や造りはカラバスと同じ様に見えました。
欲しい気持ちが空回りして細かいところまで見れてなかったのですが。

勢いで2脚注文しました。



想定外の出来事。

注文を入れて数日が過ぎたころムースヘッドチェアは到着しました。
ハイスタイルで使おうと思っていたノマドテーブルも一緒に到着しました。



早速開封してみると、ノマドテーブルは当時モノの様な雰囲気があって大満脚。
このモデルは3種類の長さの脚が含まれていて、ハイ、ミッド、ローと板面の高さが変えられます。

待ちに待ったムースヘッドチェアは・・・ローチェア・・・!?
造りはカラバスデッキチェア瓜二つなのですが、ローチェア。
カーミットチェアと同じぐらいのサイズ感です。
長年憧れてきたカラバスチェアが手に入るとウキウキで到着を待っていたので、かなりのショックでした。

チェアが到着した週末、カラバスデッキチェアを使う友人とのキャンプの予定があったので、当時モノのカラバスデッキチェアと比べさせてもらうことにしました。



カラバスデッキチェアとムースヘッドチェア比較。

友人とのキャンプで当時モノのカラバスデッキチェアと今回入手したムースヘッドチェアを比べてみました。



座面寸法や背もたれ部など基本的に寸法は同じでした。
(写真の写り方でムースヘッドチェアの方が幅広く見えますが、実際はほぼ同じサイズです。)



しかし、脚の長さがまるで違う。

そりゃハイスタイルのチェアとロースタイルのチェアですから脚の長さが異なるのは当然ですが、残念すぎる。
4本の脚がもう少し長くて座面があと10センチ程度高ければ文句なしの現代版カラバスデッキチェアなのに・・・。

しかし、ムースヘッドチェアの脚を延長すればカラバスデッキチェアに変身することがわかりました。
当時モノのカラバスデッキチェアとムースヘッドチェアの違いは脚の長さだけ!



ムースヘッドチェアのカラバス化着手。

せっかく入手したムースヘッドチェア、このままでは出番がありません。
一度はあきらめた現代版カラバスデッキチェア、無いなら作ればよい!っと気持ちを新たに改造に着手することにしました。

追加で手配したものは以下の3点。


1.ホワイトアッシュの角材

脚を延長するので、当然必要になります。
同じ木材で同じ幅、同じ厚みのものを手配します。

前脚は幅30mm×厚み20mm×長さ670mmで手配しました。
後脚は幅35mm×厚み20mm×長さ730mmで手配です。


2.座繰りビット

ボルトが入るところ、横に通っている丸棒を脚にはめ込むために適切な径の穴を掘るためのドリルビットです。
Amazonで15mm~35mmのビットが16本セットのものを購入しました。
結果として使用したのは15mm、17mm、22mmの3種類でした。


3.ネジ類

脚に差し込まれている丸棒はダボで固定されています。
丸棒はダボをドリルで削って取り外し再利用しますが、再ダボは無理。
当時モノは脚の外側からネジで留めていますので、同じ様に脚の外側からねじで留めることに。
径5mmで長さ40mmのものを使用しました。
1脚あたり4本必要です。

また、後ろ脚には金具がリベット留めされています。
当然これを壊して分解する必要がありますが、再組み上げの際にボルトとナットで再構築しました。
径4mmで長さ30mmのボルトを使用しました。
1脚あたり2セット必要です。

これらネジ類はホームセンターで購入。


上記以外に+ドライバーや六角レンチ、ドリルや穴あけビット、木材の面取りに使う金やすり、紙やすり、仕上げのワックスなどが必要となりますので適宜用意が必要です。



ムースヘッドチェアの分解。

Byerのチェアは六角レンチと+ドライバーで分解できますが、ダボで固定しているところ(脚と丸棒の接続部)や、リベットで固定している箇所(後脚の金具接続部)もあります。
それらはドリルで削って分解するしかありません。



脚と丸棒の接合部はダボの上からドリルを当てダボを削っていきます。
脚と丸棒は接着剤でも固定されていますので、ダボを削っても丸棒は簡単に抜けません。
ダボを削ったら丸棒をゆすりながら接着剤を剥がしながら抜いていきます。
丸棒を折ると再利用できませんので慎重に作業します。

前脚の横板もネジ留めと接着剤で固定されていますので、横板を損傷させない様に外します。



無事に分解が済んだ前脚と後脚です。
このうち前脚2本、後脚2本を作り変えて、再組み上げしていきます。

このチェアの分解は1脚あたり30分程度見ておけば十分な作業でした。



木材加工。

手配した木材が到着したら穴あけ加工から開始します。



前脚の穴あけは3カ所になります。

上側の穴位置は上側を基準にオリジナルの脚の穴位置を写します。
上の穴は17mmの座繰りビットでもともとのナットがきれい収まるぐらいまで彫り込みます。
そのあと、8mmのドリルでボルトが通る穴を貫通させます。

真ん中の穴も元の脚の穴位置を上側を基準に写します。
ボルトが貫通する8mmの穴をあけます。

下側の穴は横に通る丸棒を差し込む穴です。
当時モノのカラバスデッキチェアを再現するため、下側から165mmの位置に穴をあけました。
22mmの座繰りビットで10mm程度彫り込みました。

もともとの脚の挿しこみ穴は17mm程度掘られていましたが、厚みの半分程度にして脚の強度を確保したかったので10mmとしました。
再利用する横に通る丸棒はその分両端を削る必要があります。



後脚も3ヶ所に穴をあける必要があります。
後脚は上側を基準にオリジナルの穴位置を写します。
一番上は、外側に15mmの座繰りビットで3mm程度掘ります。
元のボルトの頭が収まる程度で、その後ボルトを貫通させる8mmのドリルで穴を貫通させます。

真ん中の穴は22mの座繰りビットで前脚と同様に10mm掘ります。

下の穴は金具を固定するためのボルトを通す穴で、径4mmで貫通させました。




穴あけが完成すれば作業は半分完了です。
2脚分でドリルを使った作業は1時間程度で済みました。




あとは脚の角を落としてオリジナルの脚と同じように丸みをつけていきます。
一気に2脚分の作業をしたのでかなり体力的にきつかったです。
この作業で半日は費やしたと思います。




部品として完成した脚に保護オイルを塗っていきます。
オイルが塗り終われば部品は完成。
しっかり塗り込んでも30分あれば2脚分のオイル塗りは終わります。



再組み上げ。

延長した脚部品が完成すればあとは組み上げるだけ。
分解作業で構造は理解出来るので組み上げで悩むところはありません。


ポイントとしては脚に丸棒を挿すところですが、もともとの丸棒は22.5mm程度で22mmのビットで開けた穴にはすっと入りません。
丸棒の差し込み部を軽くやすりで削りながら調整していきます。
棒が差し込まれたら外側からネジで固定しますが、脚に横棒が差し込まれた状態で下穴をあけていきます。



径4.5mmで脚の外側から長さ40mmの穴をあけて、ネジで脚と横棒を固定しました。




前脚の横板は下から320mmの位置で固定しました。
この横板は飾りではなく、座った時に荷重を受け止める働きをしますので前脚と隙間なくきっちりと固定してあげる必要があります。




後ろ脚の金具固定もボルトとナットを使って固定します。




丸棒の固定、金具の固定で使用するネジとボルトは見た目が同じになるよう、同じ材質で頭の形が同じものを使用しました。



カラバス化完成。

組み上げるとムースヘッドチェアがカラバスデッキチェアに変身しています。
長年憧れたチェアが我が家に誕生しました。



右側がオリジナルのムースヘッドチェア、左側が脚を延長し誕生した現代版カラバスデッキチェアです。
並べると座面の高さの違いはよくわかります。



2脚ともカラバス化が完了したので、一緒に買ったノマドテーブルとも並べてみました。
今回購入したノマドテーブルも当時モノの雰囲気のある作りなので欲しかったものがようやく揃ったという気持ちです。

テーブルとチェアがちょうどよい感じのハイスタイルとなりました。
いつも使っているバイヤーのサイドテーブルやスツールとも雰囲気よくまとまります。

今後はビンテージコールマンやマルシャルなどのテントと組み合わせて使うのが楽しみです。



Fin






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